
大きさ:胴径9cm×12㎝×高さ10cm(320㏄)270g
素材:天草磁器
通常ガス窯による焼成ですが、こちらは登り窯による焼成のため、薪として使う赤松の灰が溶け込んで、まるでアンティークのような雰囲気があるのが最大の特徴です。菊の花の細工は、平戸菊花飾細工技法によるものです。この技法は、平成26年に佐世保市無形文化財に指定されました。当窯に代々伝わる伝統技法です。
平戸菊花飾細工技法は、磁器製の菊の花で、手捻りの技法で用いられるパーツの一つです。先端のとがった竹の道具で、磁土の塊りから花びらの形に一枚ずつ切り出します。1周したところで、今度はそれらを一枚ずつ起こしていきます。何周もくり返すことによって菊の姿が現れてきます。壺や蓋、瓶に装飾として貼り付けられます。彫り起こしたときは、花びらの一枚いちまいが鋭く立っていますが、釉薬をかけ焼成を経ると自然の菊のような柔らかさが醸し出されていきます。
マグカップとしてお使い頂けるように、口当たり部分には菊花飾をデザインしています。お使いになる場合は、繊細な細工部分に十分にご注意くださいませ。また洗う場合はさっと中を洗い、汚れが目立つ場合は食器用漂白剤につけ置き洗いをしてください。
制作は、佐世保市無形文化財保持者 中里一郎によるものです。